格闘王・前田日明がCHANGEに降臨!対談:前田日明(リングスCEO) × 菅野和彦(CHANGE代表)
【週刊CHANGE 特別総力特集】
格闘王・前田日明がCHANGEに降臨!ビジネスマン格闘技のリアルと、「真の安全」への提言。
~格闘王が明かす目から鱗の安全対策~
対談:前田日明(リングスCEO) × 菅野和彦(CHANGE代表)

■ プロローグ:熱狂の舞台裏で実現した歴史的邂逅
2024年、ビジネスマン格闘技大会『CHANGE 3.0』は、過去最高となる800名超の来場者を記録し、熱狂の渦の中で幕を閉じた。日中はスーツを着て戦うビジネスマンたちが、己のプライドと生き様を懸けて拳を交える神聖なリング。その熱気は、既存のプロ格闘技興行にも引けを取らないほどの盛り上がりを見せた。
その興奮冷めやらぬ大会終了後のリング。そこには、ただならぬオーラを放つ一人の男の姿があった。
「格闘王」前田日明である。
U.W.F.、リングス、そして不良たちに更生の場を与えた伝説の大会『THE OUTSIDER』を創設した、日本格闘技界の絶対的レジェンド。彼が今回、縁あって『CHANGE 3.0』を解説に訪れたのだ。
大会を無事に終え、安堵と極度の緊張が入り混じるCHANGE代表・菅野和彦がリング上で対談。日本の格闘技の歴史を作ってきた男は、ビジネスマンたちの戦いを見て何を感じたのか。
週刊CHANGE編集部のレコーダーが回る中、格闘技界の常識を覆す、深く、そしてあまりにも熱い「ガチ対談」が幕を開けた。
■ 第1章:「思ってたよりレベルが高くて驚いたよ」
菅野和彦(以下、菅野):「前田さん、本日は最後まで試合をご覧いただき、本当にありがとうございました。過去最高の800名のお客様にご来場いただき、なんとか無事に大会を終えることができました。率直なご感想を伺ってもよろしいでしょうか?」
前田日明(以下、前田):「いや、思ってたより全然レベルが高くてね、驚いたよ。もっと素人の、いわゆるただの喧嘩みたいな殴り合いになるのかなと思って見てたんだけど、みんなしっかり練習してるのが伝わってきたね。」
菅野:「ありがとうございます! CHANGEに出場する選手たちは、普段は企業の経営者だったり、第一線で働くビジネスマンです。多忙な合間を縫って、週に3回も4回もジムに通い詰めてこの日のために仕上げてきているんです。」
前田:「なるほどな。スタミナもしっかりあるし、技術的なベースができている選手も多かった。ただリングに上がって目立ちたいだけじゃなくて、格闘技というものに真剣に向き合ってる姿勢が見えたよ。そういう奴らの試合は、見ていて面白いんだよな。」
菅野:「我々が目指しているのは、単なるお祭りではなく、大人が本気で取り組む『本物の格闘技』です。前田さんのようなレジェンドにそう言っていただけると、選手たちも本当に報われます。」

■ 第2章:格闘王の警告。
和やかな雰囲気で始まった対談だったが、話題が「安全管理」に移ると、前田の顔つきが一気に鋭くなった。数々の修羅場を潜り抜け、興行主として選手の命を預かってきた男の「凄み」が部屋の空気を変える。
前田:「俺がやってたアウトサイダーでも、安全面には異常なほど気を使っていた。素人がリングに上がる以上、運営側はプロ以上の危機管理を持たなきゃいけない。」
菅野:「まさに目から鱗です……。我々主催者側も更に安全面を向上します。」
前田:「それがいい。あと、レフェリーのストップの早さも重要だね。ダウンするまで待つ必要はない。選手が背を向けたり、防戦一方になったら、レフェリーが身を挺してでも間に入って止める。そういう『選手を守る勇気』がレフェリーには必要なんだよ。」
■ 第3章:U.W.F.の遺伝子と、「CHANGEの番人」中山勝己の素顔
安全対策についての白熱した議論が一段落すると、話題はCHANGEの運営体制へと移った。実はCHANGEには、前田と浅からぬ縁を持つ人物が運営の中枢にいる。
菅野:「実は今、CHANGEの出場選手の審査やコンプライアンスの統括を、警察OBチームと中山勝己さんにお願いしているんです。反社や詐欺師がエントリーしてこないよう、中山さんが『番人』としてものすごく厳しく目を光らせてくれています。もともと新日本プロレスの方です(笑)」
前田:「あの時代の新日本プロレスで揉まれた人間は、精神の骨組みが違うからね。曲がったことが大嫌いだし、格闘技に対するリスペクトが本物だ。そういう人間がコンプライアンスの責任者をやって目を光らせているなら、この大会の土台はしっかりしてるよ。変な輩が入り込む余地はないだろうね。」
菅野:「前田さんにそう言っていただけると心強いです。中山さんにも今日のお言葉、必ず伝えます。きっと喜びます(笑)。」
■ 第4章:日本人の「武道DNA」と、大谷翔平に通じる狂気
なぜ、日本のビジネスマンたちは、これほどまでに格闘技に熱狂し、自ら過酷なリングへと上がるのか。前田の独自の視点が冴え渡る。
前田:「今日試合を見てて思ったんだけど、やっぱり日本人って根本的に『格闘技』とか『武道』に向いてる民族なんですよ。」
菅野:「武道に向いている、ですか。それは体格や身体能力の話ではなく?」
前田:「精神性の話。日本人は、ひとつの『道』を決めたら、それに対して真面目に、狂気じみたほど真っ直ぐに取り組む素質がある。野球のイチローとか、今で言えば大谷翔平君とかね。彼らを見ていれば分かるでしょう。与えられた環境の中で、どうすればもっと上手くなるか、強くなるかを、24時間考え続けることができる。」

菅野:「たしかに、CHANGEに出場する選手たちも、仕事で培ったPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を、そのまま格闘技のトレーニングに持ち込んでいます。対戦相手を分析し、戦略を立てて、ロジカルに自分を追い込んでいる人が多いですね。」
前田:「それだよ。単なる『暴力』じゃなくて、自己鍛錬としての『武道』として捉えている。経営者なんて普段はストレスだらけだろうけど、サンドバッグを叩いたり、スパーリングで殴り合ったりする極限の緊張感の中で、逆に精神が浄化されていくんだと思う。だから、リングに上がるビジネスマンは、仕事でも絶対に結果を出せる強い人間になるはずだよ。」
菅野:「おっしゃる通りです。CHANGEのリングに上がった後、仕事の業績が上がったり、人生が好転したという選手を私は何人も見てきました。格闘技には、人の人生を根底から『CHANGE(変える)』する力があると信じています。」
■ 第5章:未来へ。格闘王からのエールとCHANGEの覚悟
約1時間に及んだ対談。それは単なる感想戦ではなく、日本格闘技界の歴史を創ってきたレジェンドから、新たなビジネスマン格闘技のムーブメントに対する「熱き継承」の時間であった。
前田:「とにかく、今日見せてもらった熱気は本物だった。これを一時的なブームで終わらせないためには、やっぱり『安全』と『公平性』。これに尽きる。さっき言ったグローブの件もそうだし、レフェリングの基準もそう。選手が安心して『自分の限界』に挑戦できる環境を作り続けることが、菅野さんの仕事だよ。」
菅野:「身が引き締まる思いです。今日前田さんからいただいた金言は、すべて今後の大会運営に反映させます。選手たちが命を懸けて上がってくれるリングだからこそ、我々運営側も命懸けで彼らを守り、最高の舞台を作らなければならないと改めて痛感しました。」
前田:「頑張ってよ。また機会があれば、見に来させてもらうから。」
菅野:「はい! 次回はさらに進化した、最高に熱く、最高に安全なCHANGEをお見せします。本日は本当にありがとうございました!」
固い握手を交わし、前田日明はリングを後にした。その後ろ姿を見送りながら、菅野和彦の胸中には新たな闘志が燃え上がっていた。
「グローブの大きさが脳へのダメージに直結する」。現場を知り尽くした者だけが持つ、重みのある言葉。素人がリングに上がるビジネスマン格闘技だからこそ、プロ以上の安全管理が求められる。
CHANGEは止まらない。
格闘王からのアドバイスを血肉に変え、次回大会へ向けて組織は動き出す。
安全という強固な盾を手に入れた時、ビジネスマンたちの放つ熱気は、さらに鋭く、さらに高く、格闘技界の空を貫いていくはずだ。
(取材・文/週刊CHANGE編集部)
【編集後記】
圧倒的な存在感でCHANGEの会場を視察した前田日明氏。その眼力は、リング上の熱気だけでなく、運営側の安全対策の「死角」をも見抜いていた。
次なる舞台で、選手たちはどんな輝きを見せるのか。進化し続けるビジネスマン格闘技から、ますます目が離せない。
〇 前田日明(まえだ・あきら)
1959年生まれ、大阪府出身。「格闘王」の異名を持つ、日本格闘技界の生ける伝説。新日本プロレスでデビュー後、U.W.F.を旗揚げし社会現象を巻き起こす。その後、現在の総合格闘技の礎となる「リングス(RINGS)」を設立。
エメリヤーエンコ・ヒョードルら未知の強豪を次々と発掘した。2008年には“不良の更生”を掲げた画期的なアマチュア大会「THE OUTSIDER」を創設し、朝倉未来をはじめとする数々のスター選手を輩出。圧倒的なカリスマ性と、選手の安全と興行の質を的確に見抜くプロモーターとしての鋭い眼力で、今なお格闘技界に絶大な影響力を放ち続けている。

〇 菅野和彦(かんの・かずひこ)
秋田県由利本荘市出身。ビジネスマン格闘技団体『CHANGE』代表。10歳の時、全日本プロレス「三沢光晴 vs 川田利明」による極限の三冠ヘビー級選手権に魂を揺さぶられ、格闘技の虜となる。以降、30年間にわたり興行ビジネスを独学で徹底的に研究。
全日本大学軟式野球連盟理事(国際大会担当)などのスポーツ要職を歴任し、2010年に「株式会社GINZA IT SOLUTION」を設立。自らIT企業トップとして走る中で、現代のビジネスマンの奥底に眠る「闘う熱量」を実感する。2023年、「格闘技愛に溢れる大人たちが互いを高め合い、一生の記念に残る闘いの場」を提供すべく『CHANGE』を旗揚げ。
最も尊敬するプロモーターは、“王道”ジャイアント馬場。

